防風通聖散の効果はいつから?副作用・飲み方・市販薬と処方薬の違い
- 8月7日
- 読了時間: 10分
防風通聖散は、腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方の肥満症・むくみ・便秘などに用いられる漢方薬です。便通の変化は比較的早く感じる場合がありますが、体重や腹囲の変化には個人差があり、飲むだけで誰でも短期間に痩せる薬ではありません。この記事では、防風通聖散の働き、効果を感じるまでの目安、市販薬と処方薬の違い、飲み方、副作用や飲み合わせの注意点を解説します。
1.防風通聖散が肥満症・便秘・むくみに用いられる理由
防風通聖散は、18種類の生薬を組み合わせた漢方薬です。医療用医薬品の添付文書では、「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなもの」の高血圧に伴う症状、肥満症、むくみ、便秘などに用いられるとされています。漢方では、体質や症状を踏まえて処方を選ぶため、すべての肥満や便秘に一律で適しているわけではありません。
1-1. 便通を促し、便秘がちな方の症状改善を助ける
防風通聖散に含まれる大黄(ダイオウ)や芒硝(ボウショウ)などは、便通を促す働きがあり、便秘がちな方の症状改善に用いられます。便通が整うことで、体内にたまりがちな老廃物の排出を助けることが期待されます。ただし、「脂質の吸収を直接ブロックして便と一緒に排出する」といった作用は、医療用添付文書上の効能として明記されているものではないため、過度な期待は避けましょう。
1-2. 発汗・利尿・瀉下などの働きで体質に合わせて用いられる
また、防風通聖散にはマオウ、ショウキョウ、カッセキなど複数の生薬が含まれており、漢方医学では発汗・利尿・瀉下などの方向から、余分な熱や水分、便通の滞りに働きかける処方と考えられています。肥満症やむくみ、便秘への適応はありますが、脂肪の分解・燃焼効果には個人差があり、食事や運動など生活習慣の見直しと併せて考えることが大切です。
防風通聖散に期待される主な働きは、便通を促すこと、むくみの改善を助けること、腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方の肥満症に用いられることなどです。また、高血圧に伴うどうき・肩こり・のぼせなどに用いられる場合もあります。ただし、これらは効能・効果として示される範囲の説明であり、すべての人に同じ効果が現れるわけではありません。
2.防風通聖散の効果を実感するまでの期間はどのくらい?
効果を感じるまでの期間には個人差があります。添付文書上も、特定の日数で効果が現れることを保証するものではありません。便通の変化を比較的早く感じる方もいますが、体重や腹囲の変化は生活習慣、体質、症状の程度などによって異なります。
確認する変化 | 目安 | 注意点 |
便通 | 数日〜1週間程度で変化を感じる場合もある | 下痢・腹痛がある場合は使用を見直す |
むくみ | 数日〜数週間で変化を感じる場合もある | 水分・塩分摂取や体調にも影響される |
体重・腹囲 | 数週間〜数ヶ月単位で確認する | 食事・運動など生活習慣の影響が大きい |
便秘の改善:数日〜1週間程度で変化を感じる場合もある
排便を促す生薬が含まれているため、服用後に便通の変化を感じる方もいます。ただし、効き方には個人差があり、下痢や腹痛が出る場合もあります。症状が強い場合や続く場合は、服用を中止し医師や薬剤師に相談しましょう。
お腹まわり・体重の変化:数週間〜数ヶ月単位で確認
防風通聖散は「飲めば短期間で必ず痩せる薬」ではありません。体重や腹囲の変化は、体質、食事、運動量、便通の状態などによって個人差があります。自己判断で長く続けるのではなく、一定期間使用しても症状の改善が見られない場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
3.防風通聖散が向いている人(便秘・固太り)と合わない人
防風通聖散は、体質や症状に合うかどうかを確認したうえで使用することが大切な漢方薬です。自己判断で長期間続けるのではなく、症状の変化や副作用の有無を確認しながら使用しましょう。
3-1. 向いている人の特徴(実証:じっしょう)
一般的には、体力が比較的あり、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方に用いられることがあります。ただし、漢方でいう「証」は専門的な判断が必要なため、次の特徴はあくまで目安として捉えましょう。
体格がよく、筋肉質またはお腹がぽっこり出ている
普段から頑固な便秘に悩まされている
胃腸が丈夫で食欲が旺盛
暑がりで、のぼせやすい
上記はあくまで一般的な目安であり、自己判断で服用を開始するための診断基準ではありません。体質に合うか迷う場合や、持病・服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
3-2. 合わない人の特徴(虚証:きょしょう)
一方で、胃腸が弱い方、下痢や軟便がある方、食欲不振や吐き気がある方、著しく体力が低下している方では、症状が悪化したり副作用が出やすくなったりすることがあります。また、妊娠中・授乳中の方、循環器疾患、重症高血圧症、甲状腺機能亢進症、腎機能障害などがある方は、使用前に医師や薬剤師へ相談してください。防風通聖散は、飲むだけで痩せる薬ではないため、食事・運動など生活習慣の見直しも重要です。
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4.市販薬と処方薬の違い
ドラッグストアでも多くの防風通聖散が手軽に購入できるようになりましたが、医療機関で処方される「処方薬(ツムラ62番など)」とはどのような違いがあるのでしょうか。
4-1. エキス(有効成分)の配合量の違い
最も大きな違いは、1日あたりに摂取できる生薬の量(成分の濃度)にあります。
市販薬と処方薬では、製品ごとに1日量、エキス量、生薬量、服用回数などが異なります。市販薬にも満量処方の製品がありますが、成分量を調整している製品もあるため、購入時には添付文書やパッケージで用法・用量を確認しましょう。処方薬は、医師が症状や体質、持病、服用中の薬を確認したうえで使用を判断できる点が特徴です。
4-2. 費用(自由診療)と専門家による安心感
ここで知っておきたい重要なポイントは、美容やダイエット目的で防風通聖散を希望する場合、医療機関であっても自由診療(全額自己負担)となることがあるという点です。一方で、医師が肥満症などの医学的適応を判断した場合は、診療内容や保険適用の可否が異なることがあります。費用や保険適用の有無は、受診前に医療機関へ確認しましょう。医師や薬剤師に体質・持病・服用中の薬を確認してもらえる点は、安全に使用するうえで大きなメリットです。
比較項目 | 市販薬 | 処方薬 |
入手方法 | 薬局・ドラッグストアなどで購入 | 医師の診察後に処方 |
成分量 | 製品により異なる | 処方内容により異なる |
相談先 | 薬剤師・登録販売者 | 医師・薬剤師 |
向いているケース | まず相談しながら試したい場合 | 持病や服用中の薬があり、医師に確認したい場合 |
注意点 | 添付文書やパッケージを確認する | 医師の指示に従う |
5.防風通聖散の基本的な飲み方と服用時の注意点
防風通聖散は、製品や処方内容によって用法・用量が異なります。医師から処方された場合は医師の指示に従い、市販薬を使用する場合は添付文書に記載された用法・用量を守りましょう。
5-1. 「食前」または「食間」に服用する場合が多い
医療用の防風通聖散では、通常、成人は1日量を2〜3回に分けて、食前または食間に服用するとされています。市販薬では製品ごとに服用回数や量が異なるため、必ず表示を確認してください。
食前: 食事の約30分〜1時間前のこと
食間: 食後約2時間後のこと(食事と食事の間という意味で、食最中ではありません)
添付文書では、通常、成人は1日量を2〜3回に分けて「食前または食間」に服用するとされています。胃腸が弱い方では、空腹時の服用で胃部不快感や腹痛、下痢などが出ることもあるため、自己判断で無理に続けず、飲み方に迷う場合は医師や薬剤師に相談してください。
5-2. 服用前に確認したいチェックリスト
妊娠中・授乳中、または妊娠の可能性がないか
高血圧、心疾患、腎疾患、甲状腺疾患などの持病がないか
便秘薬、漢方薬、サプリメントを併用していないか
下痢しやすい、胃腸が弱い、食欲不振や吐き気がないか
過去に漢方薬で副作用が出たことがないか
6.服用前に知っておきたい副作用と飲み合わせの注意点
6-1. 起こりやすい副作用
比較的起こりやすい副作用として、軟便や下痢、腹痛、胃部不快感、食欲不振、悪心・嘔吐などの消化器症状があります。発疹やかゆみ、不眠、発汗過多、動悸、排尿障害などが起こることもあります。症状が強い場合や続く場合は、無理に服用を続けず、医師や薬剤師に相談しましょう。
また、まれに間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、長期投与に伴う腸間膜静脈硬化症などの重い副作用が報告されています。咳、息切れ、発熱、むくみ、脱力感、手足のしびれやけいれん、皮膚や白目が黄色くなる、尿の色が濃くなる、強い腹痛や下痢が続くなどの異常がある場合は、服用を中止し、速やかに医療機関へ相談してください。
6-2. 便秘薬や一部の漢方薬との併用に注意
防風通聖散には、排便を促す大黄(ダイオウ)という生薬が含まれています。そのため、市販の便秘薬、下剤成分を含む漢方薬・ダイエットサプリなどとの併用には特に注意が必要です。 また、マオウ含有製剤、カンゾウ含有製剤、エフェドリン類、グリチルリチン酸を含む薬などとの併用でも副作用が出やすくなることがあります。服用中の薬やサプリがある場合は、必ず医師・薬剤師に確認しましょう。
■ 漢方の粉薬を飲みにくいと感じる場合の工夫
漢方薬は、生薬特有の味やにおいがあり、毎日続けにくいと感じる方もいます。飲みにくさが気になる場合は、医師や薬剤師に相談しながら、自分に合った服用方法を確認しましょう。
一般的には、少量の白湯に溶かして飲む、十分な水またはぬるま湯で服用する、服薬補助ゼリーやオブラートを活用するなどの方法があります。ただし、薬の種類や体質によって適した飲み方が異なる場合があるため、不安がある場合は専門家に確認してください。
7.よくある質問
Q.防風通聖散は毎日飲んでもいいですか?
A.医師から処方されている場合は、指示された用法・用量に従って服用します。市販薬の場合も、製品ごとの添付文書を確認し、自己判断で長期間続けないようにしましょう。症状の改善が見られない場合や副作用が疑われる場合は、医師や薬剤師に相談してください。
Q.防風通聖散で痩せないことはありますか?
A.あります。防風通聖散は、飲むだけで誰でも体重が減る薬ではありません。体質や便通の状態、食事、運動量、睡眠などによって変化には個人差があります。体重や腹囲の変化が見られない場合は、服用の継続だけでなく生活習慣や治療方針の見直しも検討しましょう。
Q.市販薬と処方薬で効果は違いますか?
A.市販薬と処方薬では、製品や処方内容によって1日量、エキス量、生薬量が異なることがあります。そのため、一概にどちらがよいとはいえません。持病や服用中の薬がある方、体質に合うか不安な方は、医師や薬剤師に相談して選ぶことが大切です。
Q.防風通聖散を飲んではいけない人はいますか?
A.下痢や軟便がある方、胃腸が弱い方、食欲不振や吐き気がある方、著しく体力が低下している方では注意が必要です。妊娠中・授乳中の方、循環器疾患、重症高血圧症、甲状腺機能亢進症、腎機能障害などがある方も、使用前に医師や薬剤師へ相談してください。
Q.便秘薬と併用できますか?
A.防風通聖散には大黄など排便を促す生薬が含まれるため、便秘薬や下剤成分を含む漢方薬・サプリメントとの併用には注意が必要です。下痢や腹痛などが起こりやすくなる可能性があるため、併用する前に医師や薬剤師へ確認しましょう。
8.まとめ
防風通聖散は、腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方の肥満症・むくみ・便秘などに用いられる漢方薬です。便通やむくみの改善を通じて体の変化を感じる方もいますが、飲むだけで誰でも短期間に痩せる薬ではありません。大黄・麻黄・甘草など複数の生薬を含むため、下痢や腹痛、胃部不快感などの副作用や、便秘薬・一部の漢方薬との飲み合わせにも注意が必要です。使用する際は、体質や症状に合っているかを確認し、持病や服用中の薬がある方、不安がある方は医師や薬剤師に相談しましょう。
参考文献
執筆者
執筆・監修:髙橋 文乃(薬剤師)
経歴:2022年に薬剤師免許を取得。大手ドラッグストアでの調剤・服薬指導を経て、KDDIに入社後、現在はPonta薬局で薬剤師として勤務。オンライン診療・オンライン服薬指導やヘルスケア領域の情報発信に携わる。





