男性の薄毛は悪玉男性ホルモンと呼ばれるジヒドロテストステロンが原因となることが分かっています。 しかし、女性の毛髪は、「加齢」「女性ホルモンバランス」「栄養状態」「心理的ストレス」といった内的因子の影響を強く受けます。髪は単なる外見要素ではなく、自己像(body image)と密接に結びつき、社会的自信や行動範囲、さらにはQOL(生活の質)に直結します。本稿では、出産後・ストレス関連・更年期という代表的なライフステージ別に、病態生理と心理的影響、そして適切な医療的サポートを整理します。 目次 出産後:分娩後脱毛症(産後脱毛) ストレス関連脱毛:円形脱毛症など 更年期:女性型脱毛症(FAGA) 髪と心理の相関 包括的サポートの重要性 1. 出産後:分娩後脱毛症(産後脱毛) 女性ホルモンの代表格であるエストロゲンは髪の成長期を延長させる効果があります。妊娠中はエストロゲン優位となり、髪が成長します。そのため抜け毛は減少し、毛量が増えたように感じる方が多い状態です。 しかし出産後、ホルモンが急速に非妊娠時レベルへ戻ることで髪の毛が休止期へ一斉移行し、