ピルの血栓症の初期症状は?見分け方と受診目安を解説
- 3 日前
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ピルを飲むか迷っている方にとって、血栓症の初期症状や受診目安は気になるポイントではないでしょうか。低用量ピルは、生理痛やPMSの改善、避妊などに役立つ一方で、まれに血栓症に注意が必要です。この記事では、ピル服用を判断する前に知っておきたい血栓症の初期症状、見分け方、受診の目安、なりやすい人や時期、予防のポイントをわかりやすく解説します。
1. ピル服用中に注意したい血栓症の初期症状
血栓症は、血管の中で血液が固まり、血流を妨げる状態です。早く気づいて対応することが大切です。まずは、見逃したくない症状を確認しましょう。
■ 血栓症が疑われる主な症状
特に注意したいのは、片足だけの強い痛みや腫れ、赤み、熱感、突然の胸痛や息苦しさ、今までにない激しい頭痛、視野の異常、見えにくさです。これらは血栓症のサインとして知られています。
世界的にも注意喚起されている「ACHES(アイクス)」は、ピル服用中に確認したい代表的な症状の覚え方です。
ピル服用によってリスクは上がるものの、実は「妊娠中や産後のリスクよりもはるかに低い」ことが分かります。過度に恐れる必要はありませんが、症状やリスクを理解したうえで医師に相談することが大切です。
■ 体がホルモンに慣れるまでの「初期3ヶ月」に要注意
ピルによる血栓症リスクが相対的に高まるのは、「服用を開始してからの初期3ヶ月間」です。体が外部からの新しいホルモンバランスに適応しようとするこの期間は、特にご自身の体調変化(初期症状のサイン)に敏感になっておく必要があります。
2. 受診を検討したい症状と対応の目安
症状の強さや出方によって、必要な対応は異なります。強い症状がある場合は受診を優先し、判断に迷う場合は処方元や医療機関へ相談しましょう。
■ 早めの受診を考えたい症状
次のような症状が突然、または強く現れた場合は注意が必要です。
Abdominal pain | 激しい腹痛 |
Chest pain | 激しい胸痛、息苦しさ、押しつぶされるような痛み |
Headache | 激しい頭痛(今まで経験したことのない痛み) |
Eye problems | 見えにくい、視界がぼやける、視野が欠ける |
Severe leg pain | ふくらはぎの激痛、腫れ、赤み、押すと痛い |
上記のうち一つでも症状が強い場合や急に悪化した場合は、医療機関を受診してください。症状が軽く判断に迷う場合は、次の服用前に処方元や医療機関へ相談しましょう。夜間・休日で症状が強いときは、救急相談窓口の利用も検討できます。受診時には、服用中の薬がわかるようにしておくと安心です。
3. 筋肉痛やむくみと血栓症の見分け方
ピルを飲み始めたばかりの方が最も不安になりやすいのが、ACHESの「S」にあたる足の痛みです。「昨日たくさん歩いたから筋肉痛かも?でもピルの副作用だったらどうしよう」と迷った際の、客観的な見分け方を解説します。
■ 「片足だけ」に症状が出るのが血栓症の特徴
血栓症は筋肉痛やむくみと比べて、片足に症状が出やすい点が特徴の一つです。
比較ポイント | 筋肉痛・むくみ | 血栓症が疑われる所見 |
痛みの出方 | 両足が重だるい、動かすと痛む | 片足だけに強い痛みが出ることがある |
見た目 | 両足が均等にむくむことが多い | 片足だけ腫れ、赤み、熱感が出ることがある |
安静時 | 休むとやわらぐことがある | じっとしていても痛みが続くことがある |
両足が均等にだるい場合は疲労やむくみの可能性が高いですが、「片足だけが赤く腫れて激しく痛む」場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。
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4. 血栓症のリスクが高くなりやすい人・時期
血栓症のリスクは一律ではありません。服用開始直後や体質、生活習慣などによって注意したい場面があります。
■ 特に注意したい時期と背景
服用開始から最初の3か月は、体がホルモンの変化に慣れる時期として注意が必要です。加えて、喫煙、年齢、肥満傾向、長時間同じ姿勢が続く状況、既往歴や家族歴などがある場合は、事前に医師へ相談しておくと安心です。
■ 発症頻度の目安
ガイドラインでは、年間1万人あたりの静脈血栓塞栓症の発症頻度の目安として、ピル非服用で1〜5人、低用量ピル服用中で3〜9人、妊娠中で5〜20人、産後12週間で40〜65人とされています。数字だけでなく、自分に当てはまるリスク要因を医療者と確認することが大切です。
■ 服用前に医師へ相談したいチェックポイント
喫煙習慣がある
片頭痛(特に前兆のある片頭痛)がある
血栓症の既往歴、または家族歴がある
長時間の移動や安静が続く予定がある
現在服用中の薬や持病がある
■ 血栓リスクが気になる場合に検討されることがある選択肢
ミニピル(プロゲスチン単独製剤)は、エストロゲンを含まない薬です。そのため、血栓症リスクの観点から選択肢として検討されることがあります。ただし、適応の可否や向いているかどうかは、既往歴や体質、授乳の有無などを含めて医師が判断します。
5. 日常で意識したい予防のポイントと相談先
血栓症の予防では、日常生活の工夫と、無理なく相談できる環境づくりが大切です。
■ 予防のポイント
こまめな水分補給を心がけ、長時間同じ姿勢が続くときは1〜2時間に1回を目安に足を動かしましょう。体調の変化があれば、自己判断で続けず、処方元や医療機関に確認することが大切です。
■ 相談先の考え方
不安がある場合は、対面診療・オンライン診療を問わず、相談しやすい医療機関を選びましょう。オンライン診療は継続相談のしやすさが利点になることがありますが、最終的な処方判断や受診の必要性は医師が個別に判断します。
6. よくある質問(FAQ)
Q. ピルで血栓症になる確率はどのくらいですか?
A.ガイドラインでは、年間1万人あたり3〜9人が目安とされています。妊娠中や産後の頻度と比べると低いとされています。
Q. 足の痛みがあれば、必ず血栓症ですか?
A.必ずしもそうではありません。筋肉痛やむくみのこともありますが、片足だけの強い痛みや腫れ、赤み、熱感がある場合は早めに相談しましょう。
Q. いつの時期に特に注意が必要ですか?
A.服用開始から最初の3か月は、特に体調の変化に注意したい時期です。
Q. ミニピルなら血栓症の心配はありませんか?
A.エストロゲンを含まないため選択肢として検討されることがありますが、薬が合うかどうかは個別に判断が必要です。自己判断せず、医師に相談してください。
まとめ
ピル服用中の血栓症は、頻度としては高くありません。ただし、片足だけの強い痛みや腫れ、突然の胸痛や息苦しさ、激しい頭痛、見えにくさなどがある場合は、早めに相談することが大切です。
症状の見分け方や受診の目安を知っておくと、必要以上に不安になりすぎずに対応しやすくなります。リスクが気になる場合は、薬の種類も含めて医師に相談し、自分に合った方法を検討しましょう。
参考文献
執筆者
執筆・監修:髙橋 文乃(薬剤師)
経歴:2022年に薬剤師免許を取得。大手ドラッグストアでの調剤・服薬指導を経て、KDDIに入社後、現在はPonta薬局で薬剤師として勤務。オンライン診療・オンライン服薬指導やヘルスケア領域の情報発信に携わる。





