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ドクターズコラム

AGA治療と肝機能の関係 〜安心して治療を続けるために〜

  • 6月18日
  • 読了時間: 5分

AGAの治療を始めるときに、「薬が肝臓に負担をかけないか心配…」というご相談をいただくことがあります。内服薬を使う治療では、どうしても身体への負担を気にする方が多いのも事実です。特に、肝臓は薬の代謝に関わる大切な臓器のため治療を始める前に不安を感じる方は少なくありません。

実際には、AGA治療で使われる薬の多くは適切に使えば大きな問題なく続けられることがほとんどです。

ただし体質や体調、飲酒習慣、ほかに使用している薬・サプリメントなどによっては、肝機能の数値に変化がみられることがあります。そのため、治療を安全に進めるうえでは薬の特徴を知り、検査を行いながら経過をみていくことが大切です。



1. AGA治療薬と肝臓の関係

AGA治療でよく使われる内服薬には、フィナステリドやデュタステリドがあります。これらは、男性ホルモンの一種であるDHTの働きを抑えることで、抜け毛の進行を抑える薬です。AGAは少しずつ進行するため、こうした薬を続けることで今ある髪を守りやすくなります。

一方でこれらの薬は主に肝臓で代謝されるため、まれに血液検査でASTやALTなどの肝機能の数値が上がることがあります。ただし、実際に重い肝障害が起こるケースは少なく、多くの方は問題なく服用を続けられます。過度に心配する必要はありませんが、身体の状態を知っておくことはとても大切です。


2. 事前検査と定期検査の大切さ

AGA治療を始める前には、一度血液検査で肝機能を確認しておくと安心です。最初の数値を把握しておくことで、治療中に変化があった場合にも比較しやすくなります。また、もともと肝機能に不安がある方や飲酒量が多い方、他のお薬を飲んでいる方はより慎重に経過をみていく必要があります。

治療中も定期的に検査を行うことで、身体の変化に早めに気づくことができます。数値に大きな問題がなければ、安心してそのまま治療を継続できます。もし変化が見られた場合でも、早めに対応することができます。AGA治療は長く続けることが大切だからこそ、「飲み始めて終わり」ではなく、定期的な確認をしながら進めていくことが重要です。検査の結果は薬の影響だけでなく、生活習慣や体調の影響も反映されることがあります。そのため検査前には最近の体調や飲酒、サプリメントの使用などもできるだけ正確に伝えることが重要です。こうした情報をもとに、医師と相談して最適な対応や治療の継続・調整を決めます。


3. 肝機能に変化があった場合の考え方

検査で肝機能の数値に変化がみられた場合は、まず飲酒、体調、併用薬、サプリメントなど、ほかの要因も含めて確認します。肝機能の数値は薬以外の影響でも変動することがあるため、すぐにAGA治療薬だけが原因と決めつけるのではなく全体をみて判断することが大切です。

ただし数値の上昇が大きい場合や、倦怠感・食欲不振・黄疸などの症状がある場合には、安全のため内服を中止し肝機能の回復を優先します。このような場合は、無理に続けるよりもいったん治療方針を見直したほうがよいことがあります。治療は「安全に続けられる形を選ぶこと」が大切です。このように変化が見られた場合もすぐに「治療ができない」というわけではありません。原因を確認し身体の状態を整えたうえで必要に応じて治療を再開したり、別の方法に切り替えることができます。医師と相談しながら、最適な選択を一緒に考えていくことが重要です。


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4. 内服薬以外の治療法

AGA治療は、内服薬だけがすべてではありません。もし内服薬が合わない場合や、肝機能への影響をできるだけ避けたい場合にはミノキシジル外用薬など肝臓への負担が少ない治療法を選ぶことができます。外用薬は頭皮に直接使うため、全身への影響を抑えながら治療を続けやすいのが特徴です。

また、注入療法など他の選択肢を組み合わせることもあります。大切なのは薬を使えるかどうかだけで判断するのではなく、その方の体質や生活スタイルに合った方法を選ぶことです。治療法は一つではないため、不安がある場合も無理のない形を一緒に考えていくことができます。


5.安心して続けるために

AGA治療は、見た目の変化が少しずつ出てくるため、焦らず続けることが重要です。その一方で、安心して続けるためには身体の状態をきちんと確認しながら進めることが欠かせません。事前の検査、定期的な確認、必要に応じた治療の見直しを行うことで、より安全に治療を続けることができます。

「薬を飲むのが少し不安」「検査が必要か知りたい」と感じるのは自然なことです。気になる点があれば、自己判断で続けたりやめたりせず、医師に相談しながら進めることが大切です。


このように、AGA治療は、内服薬だけでなく、外用薬や注入療法など、さまざまな選択肢があります。自分の体質や生活スタイルに合わせて、医師と相談しながら、最も安心で続けやすい方法を選ぶことが大切です


参考文献

  1. 日本皮膚科学会:「男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia)に関するガイドライン」(最新版)

  2. フィナステリド錠(プロペシア®)添付文書

  3. デュタステリドカプセル(ザガーロ®)添付文書

  4. ミノキシジル内服薬および外用剤に関する薬理・副作用に関する総説(日本皮膚科学会関連解説資料)

  5. フィナステリドおよびデュタステリドの肝機能影響に関する国外臨床報告および副作用データベース解析論文


執筆者

執筆:安積尚杜 先生 (東京予防クリニック 院長) 

  • 関西医科大学卒業

  • 大阪医科薬科大学病院、音羽病院、Wクリニック、駅前AGAクリニック 姫路院等勤務経験あり




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