ED(勃起不全)とは?
- 4 日前
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EDは、満足な性行為をするために十分な勃起ができなかったり、それを維持できなかったりする状態が続くことを言います 。
単に「性生活の悩み」と思われがちですが、実はもっと深い意味があります。ペニスの血管は、心臓の血管よりも細いため、体全体の動脈硬化(血管が硬くなること)が進むと、一番先に症状が出やすい場所なのです 。そのため、EDは「体全体の血管が詰まり始めているよ」という重要なサイン(センチネルサイン)と捉えられています 。
病院では、EDの背景に「糖尿病」「高血圧」「肥満」「タバコ」などの生活習慣病が隠れていないかをセットで調べることが、将来の大きな病気を防ぐためにとても大切です 。
1. 体の中で何が起きているの?(病態生理)
勃起は、神経・血管・ホルモン・心の動きがチームワークを発揮して起こる生理現象です 。
スイッチが入る:性的刺激を受けると、副交感神経が働いて「一酸化窒素(NO)」という物質が出ます 。
血管が緩む:このNOがきっかけで「cGMP」という物質が増え、ペニスの海綿体にある平滑筋(筋肉)がリラックスして広がります 。
血が流れ込む:広がったスペースに血液がドバッと流れ込み、出口の血管が閉まることで、パンパンに硬くなります 。
元に戻る仕組み:体の中には「PDE5」という酵素があり、これが「cGMP」を分解することで、勃起が収まります 。
2. EDの原因
血管・神経・ホルモンの問題:血管が硬くなったり、手術や病気で神経が傷ついたり、男性ホルモンが減ったりすること 。
心の悩み:ストレスやプレッシャー。特に「糖尿病」の人は、血管と神経の両方がダメージを受けやすいため、治療が少し難しくなる傾向があります 。
3. どんな治療をするの?
まずは生活を整えることから始め、必要に応じてお薬などを使います。
(1)生活習慣を見直す
タバコをやめる、体重を減らす、運動をする、といったことは血管を若返らせ、EDの改善に直接つながります 。軽い症状なら、これだけで治ることもあります 。
(2)飲み薬(PDE5阻害薬)
世界で最も一般的な治療薬です。先ほどの「cGMPを壊す酵素(PDE5)」をブロックすることで、勃起を助けます 。
(薬の名前 特徴 )
バイアグラ:飲んで30分〜1時間で効く。脂っこい食事をすると吸収が悪くなる 。
レビトラ:効き目が早いのが特徴 。
シアリス:最大36時間も効果が続く。食事の影響をほとんど受けない 。
※注意点:薬を飲んだだけで勝手に勃起するわけではありません。「性的な刺激」があって初めて効果が出ます 。
(3)その他の治療
テストステロン補充:男性ホルモンが足りない場合に、注射などで補います 。
二次治療:飲み薬が効かない場合、ポンプのような補助具を使ったり、自分でペニスに注射をしたり、最終的には手術で装置を埋め込む方法もあります 。
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4. 安全性と注意したいこと
お薬は正しく使えば安全ですが、血管を広げる作用があるため、以下のようなことが起こる場合があります。
副作用:顔が赤くなる(ほてり)、頭痛、鼻づまり、胸焼けなど 。
【超重要】
一緒に飲んではいけない薬:「ニトログリセリン」などの心臓の薬(硝酸薬)を飲んでいる人は、絶対に併用できません 。血圧が下がりすぎて命に関わる危険があるからです 。
その他:グレープフルーツは薬の効き目を強めすぎてしまうので避けましょう 。また、4時間以上勃起が止まらない場合は、すぐに病院へ行く必要があります 。
5. 最後に:先生からのメッセージ
EDの相談は少し恥ずかしいと感じるかもしれません。しかし、ED治療はただ性生活を良くするだけでなく、「隠れた病気を見つけて、将来の健康を守るための入り口」でもあります 。勇気を出して相談することで、毎日をより元気に、自分らしく過ごせるようになります 。
参考文献
日本性機能学会・日本泌尿器科学会 ED診療ガイドライン 第3版, 2018
Feldman HA, et al. Impotence and its medical and psychosocial correlates. J Urol. 1994.
執筆者
執筆:中村元洋(ナカムラモトヒロ) 先生(医師)
経歴:
2011年に聖マリアンナ医科大学卒業し、初期研修終了後2013年より千葉大学泌尿器科に入局。
その後関連病院で勤務し、現在船橋市立医療センター泌尿器科医長として診療を行っている。
日本泌尿器科学会専門医、指導医。





